日本で最も古い時計・漏刻

きょう6月10日は「時の記念日」ですね。

671年4月25日に天智天皇が大津宮で鍾鼓による時報を始めたことに由来しており、新暦では6月10日に当たることからこの日が「時の記念日」に制定されています。

このときに使われた時計が漏刻ろうこくと呼ばれる水時計で、日本では最も古い時計のようです(作製は660年)。

また、大津宮は天智天皇を御祭神としており、毎年6月10日に漏刻祭を行っています。

漏刻について|近江神宮
漏刻(水時計)の使用法、古代の時刻制度などについて解説します

当時作られた「漏刻」は飛鳥水落遺跡に遺構が残っているようですが、「漏刻」の仕組みはこのようになっています。

提供:国立天文台

水の流れる量が一定であることを利用した装置で、流れ出した水の水位を踏まえて時間を計っていました。

何段にも分けて水を流しているのは、流速を一定化させるためです。

なお、漏刻の起源は中国で、資料をよく見ると「黄帝創漏水」という表現がありますね。

「黄帝」とは、夏王朝以前の伝説的な君主のこと。

統治していたとされる時代は紀元前2500年ごろまでさかのぼるので、それだけ古来から利用されてきたことが分かります。

また、水時計より古い、人類最古の時計は「日時計」です。

紀元前4000年~3000年の古代エジプトやメソポタミアで利用されていたようです。

最も原始的な時計なので日本でも使われていたと思うのですが、もしかしたら日本の地形や気候になじまなかったのかもしれません。

というのも、日時計は屋外ならどこにでも設置することができますが、陰に入った場所では使えませんね

日本は森林の面積が多いため、日時計を設置できる場所が限られていた可能性があります。

また、日時計は曇天・雨天時にも使用できないので、中緯度帯にあって降水量が多い日本では、活躍の場が少なったと考えられます。

水時計の場合、水を汲み入れたり目詰まりを取り除いたりと維持管理にコストがかかりますが、天気が悪い日も夜間でも使えるので、こちらの方が使いやすかったのかもしれませんね。

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