天体観測をする際に重要なのは、もちろん当日夜の天気です。
快晴で安定した天気のときに観測したいので、そのためにどんな情報を吟味しているのか、よく見ているウェブサイトを紹介したいと思います。
気象庁
気象庁のウェブサイトから様々な情報を得ることができるのですが、現在の空の状態を知るには衛星画像が最適ですね。
可視画像は太陽光が届いている日中しか確認できませんが、赤外画像であれば24時間確認することが可能です。
天体観測を検討していた、2月1日21時の赤外画像の様子がこちら。
九州では雲が少ないものの、東シナ海から奄美諸島付近までは雲が広がっています。
宮崎で天体観測をするには条件がちょっと厳しいかも。
また、地上付近の大気の状態はアメダスで知ることができます。
ここで注目したいのが、「水平視程」です。
大気中の光の透過率を計測しており、「水平視程」の距離が長いほど地上付近の空気が澄んでいると言えます。
※観測可能な距離は20.0㎞のため、「20.0㎞以上」でも表示は「20.0㎞」
なお、2月1日の「水平視程」は、
昼頃までは「水平視程 20.0㎞」が続いていたものの、夕方には10㎞を切っています…。
水平視程が短い時に天体観測をしても、星の光が弱まってしまうので撮影には不向きです。
「水平視程 20.0㎞」が連続している日を狙いましょう。
また、湿度が高い時は器材に露がついてしまうので、「湿度」のチェックも必要です。
この日は夜も湿度が低くてよかったんですけどね。
乾燥注意報が発表されているときは、夜露に悩まされる心配はないでしょう。
そして、今後の天気がどのように変化するかは、「天気予報」を確認しましょう。
2月1日17時発表の天気予報では、このようになっていました。
1日夜の予報で「晴れ」マークがついているものの、18時~24時の降水確率が20%と微妙に高く、「所により 夜のはじめ頃まで雨」とも表現されています。
天気マークが「晴れ」になっていても、降水確率が「0%」でなければ観測には不向きになります。
2日の予報で0時~12時の降水確率が0%なので、比較的いい条件で観測できそうなのは、1日夜ではなく、日付変わって2日の明け方ごろですね。
あと、これからの時季は気を付けておきたいのが黄砂です。
3月から5月ごろにかけて、大陸からの黄砂が西日本中心に届きやすくなります。
薄い黄砂であれば人体や生活への影響は軽微ですが、天体観測となると薄い黄砂でも大敵です。
黄砂の予想が出ているときの観測はあきらめたほうがいいです。
ちなみに、2月1日の時点で黄砂の予想はまだ出ていませんでした。
そらまめ君・みやざきの空
夜間の雲の様子は赤外画像で目視確認することができますが、大気中の汚染物質は目視で判別することができません。
PM2.5などの測定状況を確認できるのが、環境省の大気汚染物質広域監視システムの「そらまめ君」です。
また、宮崎県に特化した情報が、こちらの「みやざきの空」。
測定対象となる物質がたくさんありますが、大気の清澄さを知るには「PM2.5」を確認するだけで十分かと思います。
私はいつも「みやざきの空」でPM2.5の状況をチェックしており、2月1日の様子はこんな感じでした。
アメダスの「水平視程」と傾向が似ていて、午後から濃度が高まっていることが分かりますね。
経験則的には、PM2.5の濃度が10μg/m3程度であれば観測に支障はありません。
ただ、20μg/m3 程度まで濃度が上昇すると、空気が霞んで暗い星が見えにくくなることを実感します。
この日は 20μg/m3を超えている地点が多いので、観測条件はよくありません。
なお、「そらまめ君」では広範囲の監視状況を知ることができます。
「16~20μg/m3 」の地点が多くなっているので、九州では全体的に「PM2.5」の濃度が高くなっているようですね。
ウェザーニュース・Labs Channel
こちらはウェザーニューズ社が運営している有料(月額300円・税抜)のウェブサイトです。
サイト内には様々なコンテンツが用意されており、このうち「Labs Channel」では雲や雨、気温、風向・風速など、数値モデルによるシミュレーション画像を確認することができます。
最新の予想で夜間に雲がかかるかどうかを確認できるため、仕事柄もあって私は毎日閲覧しています。
天体観測に行くかどうか、このシミュレーションを見て決断することが多いので、費用はかかりますがおススメです。
私は天体観測に行く場合、車で現地まで30分、天体望遠鏡の設置に30分ほどかかるので、自宅を出発してから観測できるようになるまで1時間以上かかってしまいます。
せっかく観測に行くのであれば、気象条件を吟味してじっくり天体観測を楽しみたいものです。
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