過去のアメダスデータから期間内の積算値や連続日数などを分析しているのですが、どこからデータを収集しているのか、簡単に紹介します。
もちろん、アメダスのデータを収集しているのは気象庁なのですが、過去の膨大なデータがどこにあるのか、気象予報士以外で知っている人は少ないかと思います。
気象庁ウェブサイトのトップページから見ていきましょう。
トップページから欲しいデータへ
まずはトップページの「各種データ・資料」から入ります。
続いて、
「過去の地点気象データ・ダウンロード」をクリック。
するとこちらのページに辿り着きます。
あとは、調べたい「地点」「項目」「期間」を選ぶだけで、必要なデータが得られます。
さりげなく南極(昭和基地)のデータも地図の右下から取得できますね。
試しに、10年前(2011年)の8月の宮崎市の最高気温を調べてみましょう。
「宮崎県」を選択すると、県内のすべての観測地点が表示されます。
なお、地点を示す○の大きさや色の違いは、観測項目の違いによるものです。
続いて観測項目です。
「データの種類」では、日別・月別など、必要なデータによって選択することができます。
また、「過去の平均値との比較オプション」では平年値(1991年から2020年の30年平均)と比較できるので、平年差を知りたいときはチェック。
「項目」からは、気温だけでなく、降水量や風速なども選択できます。
最後に「期間」を選びましょう。
「1月1日から12月31日まで」などの連続した期間の表示だけでなく、特定の期間の表示では、「8月だけを表示」といったこともできます。
なお、データ量が上限を超えてしまうとダウンロードできないので、期間を短くするといいですね。
すべての項目を入力したら、「画面に表示」か「CSVファイルをダウンロード」で出力しましょう。
データを分析する場合は、CSVファイルを利用するといいですね。
なお、「表示オプションを選ぶ」は慣れてからで十分だと思います。
出力データの見方
設定した項目が、
地点:宮崎市
項目:日別の最高気温(平年値と比較)
期間:2011年8月1日~31日
なので、出力されたデータはこのようになります。
この中で設定した項目とは関係のない、「品質情報」「均質番号」という表示がありますね。
「品質情報」とは、データの品質、信頼度の高さを数字で次のように示しています。
「8」…正常値(データに欠損がない)
「5」…準正常値(データの一部が許容範囲で欠けている)
「4」…資料不足値(データの一部が許容範囲を超えて欠けている)
「2」…疑問値(値がかなり疑わしい)
「1」…欠測(統計値がない)
「0」…観測・統計項目ではない
「8」と「5」はそのまま使ってもよさそうですが、それ以外の数字が表示されたら、扱いを注意しないといけませんね。
また、「均質番号」ですが、表示される数字そのものに意味はありません。
「均質番号」の変化は観測環境の変化を意味していて、数字が変わると、観測地点の場所が変わった可能性があります。
例えば、2017年3月に観測地点が移動した高鍋町のデータを例に確認してみましょう。
3月10日から「均質番号」が「1」から「2」に変わっていますね。
旧観測地点は高鍋町内の市街地にあったのですが、移転後は高鍋湿原となったため、同じ町内でも観測環境が大きく変わっています。
また、新地点での観測開始から4年余りなので、平年値(1991年から2020年の30年平均)が算出されず、平年比もありません。
地点変更は時々行われるので、データの連続性に気をつけないといけませんね。
データの取得方法や扱い方はだいたいこんな感じです。
もっと詳しく知りたい方は、気象庁のこちらのページへ。
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