好きな昆虫の中で上位に食い込んでくるのがセミで、いまだに羽化の瞬間を見かけたときはワクワクするし、鳴き声を耳にすると捕りたくなります。
というか、周りに人がいなければ普通に捕まえてます。
ただの少年です(笑)
セミの鳴き声は騒々しい雑音に感じられるかもしれませんが、セミは夏の間ずっと同じ種類が鳴いているわけではなく、時期によって鳴くセミの種類も変わっています。
すでに5月ごろからセミは鳴き始めていて、よく松林ではハルゼミが「ギイギイ」という比較的大きな声で鳴いています。
6月後半の時期からはニイニイゼミの「ジー、チー」という壊れた電球のような音。
7月の梅雨明け前後からアブラゼミの「ジリジリ、ジリジリ」が聞こえはじめ、クマゼミの「シンシン、シャアシャア」が加わり、セミの大合唱が始まります。
ミンミンゼミは東日本中心に生息していますが、九州でも少し標高が高いところ(鰐塚山の中腹で聞こえました)では「ミーンミンミン」という鳴き声が聞こえます。
そして8月後半の今の時期になると、ツクツクボウシの「オーシーツクツク」という鳴き声が多くなってきます。
8月後半から9月にかけての時期がツクツクボウシのピークなので、鳴き声は夏の終わりをイメージさせますね。
夏の初めの時期からセミの鳴き声を収集しておけばよかったのですが、天気のサカイ目のコーナーで取り上げようと思ったこともあって、急遽職場付近でアブラゼミとツクツクボウシの鳴き声だけ録音できました。
両者の鳴き声を比べると、「そういえばツクツクボウシの鳴き声が目立ってきたなあ」と改めて実感するのではないでしょうか。
さて、ツクツクボウシの鳴き声にはある伝説があって、九州の地名が関係しています。
ツクツクボウシの名前にもなんとなく表れているのですが、
その場所とは、
福岡県の「筑紫(ちくし・つくし)」なんです。
オンエアでは3択クイズにして、「ボウシ」の部分に言葉が関係していそうな、宮崎県の「椎葉(しいば)」と鹿児島県の「志布志(しぶし)」を選択肢に加えましたが、九州在住の方ならノーヒントでいけたかもしれませんね。
その伝説なのですが、
筑紫出身の旅人が旅先で客死し、セミに生まれ変わったあとも故郷を想って「筑紫(つくし)恋しい」と言っているように聞こえる
という、ちょっと悲しい物語でした。
江戸時代には、
「つくつくぼうしといふせみは、つくし恋しともいふ也。」
とも語られていたようです。
夏の終わりの寂しさが故郷を想う恋しさに重なって、このように聞こえたのでしょうね。
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