普段の天体観測では、惑星同士は離れているので、木星は木星、土星は土星、といったように当然個別に観測します。
しかし、驚くことに今回はその2つの惑星が同時に1つの視界に入ります(12月21日に最も接近)。
望遠鏡の高倍率の視野内で木星と土星を一緒に見られる日が来るなんて、思いもしませんでした。
聞くところによると、見かけの距離がここまで接近するのは約400年ぶりのことのようですね。
400年前の17世紀前半ごろは望遠鏡が発明されて間もなく、ガリレオ・ガリレイが活躍していた時代です。
当時の木星・土星の大接近は太陽に近すぎて見えなかったようなので、今回観測できるのは幸運ですね。
さて、大接近直前の週末に自前の天体望遠鏡で撮影してきたのですが、これがまたなかなか難しい。
高度が低いので大気の影響を受けやすく、さらに午後7時半ごろには沈んでしまうので時間との戦いでもあります。
土星の輪がなんとか分かるのがこちら。
1/40秒露出ですが、この明るさでは土星の輪は写るものの、ガリレオ衛星が写らないんですよね。
露出をちょっと長めの1/15秒にすると、衛星は写るものの土星の輪がつぶれる…。
悩ましい。
後日談ですが、天体写真加工ソフトのステライメージ9を新しく購入したので、いろいろいじくっていい写真に直したいと思います。
とはいえ、この歴史的瞬間に望遠鏡を構えて立ち会えただけでもラッキーなことです。
本当は最接近の21日にも撮影をしたかったのですが、ニュース出演が終わるのが18時45分なので惑星たちが沈むまでに準備が間に合わないため、あきらめざるを得ず…。
その代わり、UMKの屋上に望遠鏡を設置して、沈みゆくさまを同僚たちと眺めておりました。
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