別のページで紹介したおうし座のかに星雲ですが、この天体はかつて超新星が爆発した名残でもあります。
また、超新星爆発したのはおよそ千年も昔のことなのですが、藤原定家が記した『明月記』の中でその様子が記されています。
漢文だったので該当箇所を探すのが難しかったのですが、赤線を引いたところが当時の超新星爆発の記述です。
「客星(超新星)出現例」として何例か列挙されており、かに星雲の元になった超新星爆発が「後冷泉院天喜二年(1054年)四月中旬」の「丑時」、未明ごろの時間帯に現れたもののようです。
また、「觜参」は「星宿」という古代中国の星座のことで、現代のオリオン座付近に当たります。
その 「觜参」と同じ赤経に位置する「天関星」 付近に現れたことを示しています。
さらに、「大如歳星」と記述されていることから、「歳星(木星)」のような大きさ、つまり木星のように明るく輝いていたことを示しています。
超新星爆発を観察できた平安時代の方たちがうらやましい。
でも、反対に考えれば、超新星爆発後の姿を観測できる現代人の方がラッキーかもしれませんね。
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