2023年台風6号を振り返る

気象

8月に入ってからは、ノロノロと移動する台風6号の対応のため、なかなか大変でした。

特に台風が最も接近していた先週9日は、10時台の「台風特番」、11時台の「You & Live Smile」

そしてレギュラー出演している18時台の「Link」の3番組にハシゴ出演し、目まぐるしい一日でした。

台風6号対応も先週の終わりには落ち着いたので、備忘もかねて振り返っておこうと思います。

先週月曜日からの衛星画像(赤外)がこちら。

8月7日0時・12時

8日0時、12時

衛星画像に注目すると、台風6号の中心の目に当たる部分がかなり広がっていることが分かります。

中心付近に雲が少なく、目が大きくなっている状態の台風は「環状台風」ともいわれていて、

長期間勢力を保ち、衰えにくいという特徴を持っています。

今回の台風6号も環状台風に当たるのではないでしょうか。

台風が九州の西の海上を北上していく様子がこちら。

8月9日0時
8月9日6時
8月9日12時
8月9日18時
8月10日0時
8月10日6時

台風の雨雲の渦があまり崩れず、東側の発達した雨雲が九州にかかり続けています。

このため、県内では9日夜から10日未明にかけて、線状降水帯が発生しました。

8月9日21時のレーダー画像

特に発達した雨雲がかかった、小林市で1時間に93.5ミリの猛烈な雨が降り、観測史上1位の1時間降水量を更新しています。

なお、個人的に思うのは、今回の台風で線状降水帯として解析された雨雲は、

台風の外側降雨帯(スパイラルバンド)に当たる雨雲かと思います。

本来は台風の構造の一部である外側降雨帯が、自動的に線状降水帯として判定されることに違和感はありますが、

局地的な雨量の増加を呼び掛けるための枕詞になるのであれば、それもアリなのかな、という気もします。

また、今回の台風は速度が遅かったため、県内では長期間に渡って雨が続きました。

県内各地の降水量(8/1-10)と平年8月1か月の降水量を比較したものがこちら。

※平年比で2倍以上の地点を赤色1.5倍以上の地点を黄色で着色しています。

※高鍋町では観測期間が短いため、平年値の算出なし
※諸塚村、田野では観測期間が短いため、平年値の算出なし

ほとんどの観測地点で、10日間の降水量は平年8月1か月分を大きく上回っており、

日之影町では2.5倍の雨量に達し、記録的な降水量となりました。

また、猛烈な雨を記録した小林市でも2.3倍の雨量を観測しています。

特に10日にかけての3日間で集中的に降っており、72時間降水量は記録的な雨量となっています。

日之影町では観測史上最大の雨量となったほか、8か所で8月の観測史上最大の雨量を更新しています。

これだけの記録的大雨になったものの、宮崎県が発表した最新の被害報(第10報・8月10日21時現在)をみると、

宮崎県被害報・第10報より抜粋

人的被害は軽傷1名に留まるなど、比較的軽微な被害で収まったかと思います。

ただ、台風シーズンはこれからで、台風7号による近畿・中国地方への被害も大きくなっているため、

改めて台風への備えを見直しておきたいですね。

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