日本の南の海上を東へと進む低気圧のことを「南岸低気圧」と言っており、首都圏に大雪をもたらす原因でもある低気圧なので、特に今の時季は南岸低気圧の行方が気になります。
今夜(10日21時)の予想天気図では、
低気圧が発達しながら関東の南の海上を進むことが予想されています。
首都圏で大雪となるのは南岸低気圧が八丈島付近を通過する場合が多いので、気圧配置を見るだけでも大雪の可能性が想定されますね。
また、低気圧の進路に加え、上空の寒気も考慮する必要があります。
首都圏での大雪は上空1500m付近の寒気の状態が目安となるので、予想天気図の上に重ねてみると、
全国的に0度以下の寒気に覆われ、東北から北陸にかけてはマイナス6度以下の寒気が流れ込んでいる予想です。
「マイナス6度以下の寒気」は平地で雪が降るめやすとなっていますが、マイナス6度から0度のエリアでも雪になる可能性は十分にあります。
「南岸低気圧の位置」と「上空の寒気」を考慮すると、首都圏で大雪となるおそれがあります。
なお、このほかに地上付近の冷気や空気の乾燥度合い、低気圧が持つ水蒸気量など、細かい要素を勘案しなければならないので、関東南部での大雪の予想は難しいです。
「南岸低気圧」が通過する際は関東南部の雪が注目されがちですが、九州南部でも「南岸低気圧」により雪が降ることがあります。
宮崎県内で雪が降ったときの天気図(2月7日21時)がこちら。
低気圧が位置しているのは東シナ海の南の海上なので、「南岸」と表現していいかは微妙な位置です。
ただ、低気圧は九州の南側に位置しており、雪を降らせるプロセスは関東にとっての「南岸低気圧」と同じです。
このような気圧配置のときも九州南部で雪が降る可能性があり、すでに7日夕方の時点で山沿いの全域に大雪・着雪注意報が発表されていました。
また、同様に上空の寒気の状態を確認してみましょう。
低気圧の北側には0度以下の寒気が入っていて、九州はマイナス6度から0度のエリア内に入っています。
さすがに地上付近の気温が関東と比べて高いため、宮崎市などの平野部では雨となり、雪が降るのは山沿いの標高の高いところが中心となりますね。
宮崎県内で積雪計が設置されている地点は1か所(宮崎地方気象台)だけなので、山地での積雪データはないのですが、現地の取材映像を確認すると数センチ程度の積雪があったようです。
宮崎での雪は降る場所が山沿いにほぼ限定されるため、関東と比べると影響は限られますが、雪が少ない地域なので大雪の兆候は見逃がしたくないところです。
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