宮崎科学技術館を初めて訪れた時から紹介したかった、「コリオリ・ボウリング」を取材させてもらいました。
この装置は、地球の自転に伴う見かけの力である「コリオリの力」を体感することができるんですよ。
「”見かけの力”ってどういうこと?」
と感じるかと思いますが、「コリオリ・ボウリング」の遊び方を見ながら解説していきますね。
ボウリングの要領でボールをまっすぐに転がすと、
地面に引かれた線に沿って進みますね。
ただ、地球は反時計回りに自転しているので、本来は地面も回転しています。
私たちが地球の自転を感じられないのは、地上の物体は慣性の法則によって地球の自転とともに動いているためです。
では、地面を回転させ、地球の自転を再現した状態でボールを転がすと、
ボール自体はまっすぐに進んでいるものの、地面に引かれた線から離れるように右に反れていますね。
これが見かけの上で働く力、「コリオリの力」なんです!
「コリオリの力」は図だけでは分かりにくいので、このような大掛かりな装置があると分かりやすいですよね。
また、地球上を移動するすべての物体に働くので、当然台風にも作用しています。
台風に働く力は主に3つあって、
「コリオリの力」のほか、回転する物体が外向きに受ける「遠心力」、そして気圧が高い方から低い方に向かう「気圧傾度力」によって釣り合っています。
さらに、「コリオリの力」は赤道で最も小さく、両極(北極・南極)で最も大きくなります。
台風の南側で小さく、北側で大きくなっているため、貿易風や偏西風などの影響が小さい場合、台風は徐々に北側に引っ張られて北上していきます。
南の海上で発生した台風が日本付近に北上してくるのは、「コリオリの力」が働いているためでもあるんですね。
さて、今回取材させてもらった宮崎科学技術館はこちら。
「コリオリ・ボウリング」は、1階正面玄関から入ってすぐ右手の
「生きている地球」エリアにある装置なので、訪れた際に体験してみてください。
今まで科学技術館に行ったことがあっても、この装置の仕組みを知らずにボール投げをしていた人も多いようなので、「コリオリの力」のメカニズムも知ってもらえると嬉しいです。
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