2021年8月の長雨を振り返る

先週から続いていた九州の大雨はようやく収まってきたようです。

気象台が発表する気象情報に掲載されている、降り始めの日時は「11日3時」となっているので、きょうまでの10日間に渡って断続的に雨を降らせていたことになりますね。

最新(20日14時が最終)の気象情報による、各地の降りはじめからの降水量(11日3時から20日14時まで)を平年8月の降水量と比較してみると、

観測地点期間降水量8月平年値期間降水量/8月平年値
えびの市えびの
(えびの高原)
1320.0ミリ582.8ミリ約2.3倍(226.5%)
えびの市加久藤758.5ミリ287.0ミリ約2.6倍(264.3%)
椎葉村700.0ミリ333.1ミリ約2.1倍(210.1%)
西米良村677.5ミリ393.5ミリ約1.7倍(172.2%)
小林市野尻662.0ミリ320.8ミリ約2.1倍(206.4%)
期間降水量と8月平年値の比較(8月11日3時~20日14時)

各地で平年8月の降水量の200%を超えていて、8月中旬の10日間だけで平年の倍以上の雨を降らせていたことが分かります。

降水量の多かった地点が山沿いに集中しているのですが、平野部の地点ではこのような降水量となっています。

 観測地点 期間降水量8月平年値期間降水量/8月平年値
延岡市303.0ミリ265.9ミリ約1.1倍(114.0%)
日向市309.0ミリ272.7ミリ約1.1倍(113.3%)
宮崎市327.5ミリ275.5ミリ約1.2倍(118.9%)
日南市343.5ミリ230.8ミリ約1.5倍(148.8%)
串間市449.5ミリ251.5ミリ約1.8倍(178.7%)
期間降水量と8月平年値の比較(8月11日3時~20日14時)

上位5地点ほどのインパクトはないかもしれませんが、平年8月の1か月分以上の雨を降らせているので、県内全域で大雨になっていたことが分かりますね。

また、期間全体の降水量に対して、期間中に最も多かった1時間降水量も調べてみました。

観測地点期間降水量期間中の最大1時間降水量
えびの市えびの
(えびの高原)
1320.0ミリ53.0ミリ(8月13日)
えびの市加久藤758.5ミリ43.0ミリ(8月17日)
椎葉村700.0ミリ31.0ミリ(8月18日)
西米良村677.5ミリ33.0ミリ(8月18日)
小林市野尻662.0ミリ35.0ミリ(8月12日)
期間降水量と最大1時間降水量の比較(8月11日3時~20日14時)

上位5地点では、1時間降水量は30ミリから50ミリ程度となっていますね。

平野部の地点では、

 観測地点 期間降水量期間中の最大1時間降水量
延岡市303.0ミリ24.5ミリ(8月20日)
日向市309.0ミリ33.5ミリ(8月18日)
宮崎市327.5ミリ29.5ミリ(8月18日)
日南市343.5ミリ36.5ミリ(8月18日)
串間市449.5ミリ61.5ミリ(8月18日)
期間降水量と最大1時間降水量の比較(8月11日3時~20日14時)

串間市の降水量が60ミリ台と飛び抜けて多くなっているものの、20ミリから30ミリ台のところが多くなっています。

こうしてみると、期間全体の雨量(平年8月の1~2倍)の多さに比べると、1時間降水量は比較的少ないことが分かります。

これだけの雨が数日から1週間程度の期間で降ると、土砂災害の危険性も長期間持続します。

ただ、1時間降水量が比較的少ないことで排水が十分に機能するため、河川の氾濫の危険性は比較的小さかったと思います。

実際に気象台が発表する府県情報でも、土砂災害は常に警戒事項に挙げられていたものの、河川の増水や低地の浸水は一時的に警戒事項になったものの、注意事項にとどまることが多くなっていました。

雨の降り方(期間・強度)によって、災害対応を柔軟に変えていきたいですね。

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