ハイブリッドな情報収集

今月後半に防災講座の実施を控えていて、資料作成に集中していたらこちらのブログの方はなかなか手を付けられず、気づけば3週間ほど未更新になってしまいましたね。

ようやく資料もまとまったのですが、県独自の緊急事態宣言が発表されていた影響で、予定していた会場がしばらく使用不可となってしまったので、講座自体が延期に…。

日程調整のうえで改めて実施することになると思いますが、せっかく資料も作っていたので、その中でまとめていた考えを載せておこうかと思います。

防災講座の中で「気象情報の収集方法」について紹介するつもりだったのですが、収集方法は大きく分けると、

・テレビ・ラジオ

・インターネット

になるのではないでしょうか。

なお、どちらも一長一短あって、テレビ・ラジオなどの場合

・情報収集が比較的容易

・映像やVTRが豊富

といったことが考えられます。

ニュースなどの決まった時間にテレビのチャンネルを合わせれば、天気情報を確認することができますよね。

また、dボタンでデータ放送を確認することもできるので、ニュースのない時間帯でも情報収集は可能です。

さらに、取材班が撮影した現地の映像や過去のVTRを利用したり、グラフィックやアニメーションを使用したりしているので、視覚・聴覚に訴えかけやすく、五感で感じやすいのではないでしょうか。

プログラムの構成や編集によって、オンエアの際には見やすい形になっていると思います。

ただ、

・情報にタイムラグが生じる

・局地的な情報が少ない

といったことが、デメリットとして挙げられるでしょうか。

地震速報などの速報テロップは別として、リアルタイムの情報から段階を経てオンエアに至るので、若干のタイムラグは否めません。

また、地方単位・県単位といった、ある程度広範囲な情報になるので、近所の場所などの局地的な情報は、よほど特徴的な出来事がなければ紹介するに至りません。

さて、これに対し、インターネットはどうでしょうか。

気象情報の元データを提供する気象庁ウェブサイトの利用を前提にして考えると、

・現在の情報・局地的な情報が分かる

といったところでしょうか。

雨雲の動きは5分ごと、衛星画像は2分半ごとに更新されているので、リアルタイムの情報にかなり近くなっています。

また、地図を拡大して確認することができるので、自分の居住地付近などの局地的な情報も入手しやすくなっています。

ただ、デメリットとしては、

・自ら検索しなければならない

・自ら情報を解読しなければならない

ということが考えられます。

気象庁のウェブサイトに辿り着くことは簡単でも、知りたい情報を検索できるようになるまで慣れるには時間がかかります。

さらに、専門用語も含まれた表現も読み解かなければなりませんね。

テレビ・ラジオとインターネットのどちらも良い点と足りない点があるのですが、おススメは両者のいいとこどりをしたハイブリッドな情報収集です。

この情報収集の方法は2段階に分かれます。

まずはテレビやラジオで大まかな情報を把握しておくこと。

「台風が○日後に接近しそう」とか「暑い日が続く見込み」といった、今後の天気の相場観を持っておくだけで十分です。

その際に、私たち気象キャスターの解説にちょっとでも耳を傾けてもらえるとありがたいです。

そしてウェブサイトの特定ページをチェックすること。

あれもこれも確認するのは大変なので、決まったページであれば手間も少ないかと思います。

このときに見てもらいたいのは、気象庁の「キキクル(危険度分布)」ですね。

「キキクル」はトップページから確認できます。

ここから地域の選択画面に飛びます。

すると、

現在の雨雲の動きと、土砂災害・浸水・洪水のキキクル(危険度分布)を一度に確認できます。

もちろん、それぞれ拡大できるので、お住いの地域の様子も分かりますね。

このようにテレビ・ラジオとインターネットを合わせたハイブリッドな情報収集を行えば、比較的たやすく正確な情報が得られるのではないでしょうか。

なお、今週半ばからの大雨によって、福岡県・佐賀県・長崎県・広島県に大雨特別警報が発表されましたが、この豪雨のさなかに気象庁のサーバーがダウンしており、一時的に情報収集ができなくなりました。

今後サーバーの強化を図り、情報収集の礎を盤石にしてもらいたいところです。

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